おすすめのジャズ映画 『真夏の夜のジャズ』 モダンジャズの原点がここに!ジャズ・フェスティバルのドキュメント映画
ジャズ映画『真夏の夜のジャズ』
「真夏の夜のジャズ」(原題:Jazz On A Summer’s Day)は、1960年のアメリカ映画。 監督はバート・スターンとアラム・A・アヴァキアン。ストーリーはなく、1958年に開催されたアメリカのロードアイランド州ニューポートで毎年8月に開かれるジャズ・フェスティバルのドキュメント映画。
出演者
ジミー・ジュフリー(テナーサクソフォーン奏者)
ソニー・スティット (アルトサクソフォーン奏者)
エリック・ドルフィー (テナーサクソフォーン奏者)
アニタ・オデイ(ジャズシンガー)
ジョージ・シアリング(ピアニスト)
ジェリー・マリガン(バリトンサックス奏者)
アート・ファーマー(トランペット奏者)
ジム・ホール(ギター奏者)
セロニアス・モンク(ジャズピアニスト)
ダイナ・ワシントン(ジャズシンガー)
ビッグ・メイベル(R&Bシンガー)
チャック・ベリー(ロックンロールギタリスト)
チコ・ハミルトン(ジャズドラマー)
マヘリア・ジャクソン(ゴスペルシンガー)
ルイ・アームストロング(トランペット奏者)
など
【感想】
ある意味、このリアルな映像美にはどんな映画も太刀打ちできないでしょう。大した機材も使わず、照明も殆どがナチュラル。ステージなので映画用の照明は多分使われていません。作られた演技というのではなく、ライブステージをそのまま撮影した映画なのですが、このミュージシャンたちの表情こそが生の演技を超えたジャズの醍醐味でしょう。そのライブの中に織り込まれる観客の表情や、ニューポートの海岸の風景も絶妙であり、特筆されるシーンとして、バッハの「無伴奏チェロ組曲」を弾くチコ・ハミルトン・クインテットのベーシスト、ネイサン・ガーシュマンのソロはクギ付けになります。ライブ会場ではなく、薄暗い部屋で上半身裸のまま黙々とコントラバスのボウイングを奏でるネイサン。途中でタバコに火をつけるために演奏を突然中断。そして大きく煙を吐き咥えタバコのまま演奏を再開します。広がる紫煙の白と、影になって表情の読めない横顔のコントラストを背景に、壮大なクライマックスの旋律が流れ、そして静かにソロが終わりを告げ沈黙が流れる。何の演出もない練習風景をここまでの感動的映像に見せる研ぎ澄まされた感性。ミュージシャンのスピリッツが撮影するスタッフにまで乗り移り、まるでカメラが音楽を奏でているような映像と言っても過言ではありません。ジャズファンなら「持っておくべき」作品の一つでしょう。
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