おすすめのジャズ映画 『ベニー・グッドマン物語』 最高のフルバンドジャズ クラリネットの魅力を素晴らしく聞かせてくれる名作
ベニー・グッドマン物語とは
「ベニー・グッドマン物語」(原題:The Benny Goodman Story)は、1956年のアメリカ合衆国の映画。 監督・脚本はヴァレンタイン・デイヴィス。主演のベニー・グッドマン役にスティーヴ・アレン。共演は「地上より永遠に」のドナ・リード。
共演者として本物のミュージシャンも出演しており、ビブラフォンのライオネル・ハンプトン。女性シンガーのマーサ・ティルトン。トロンボーンのキッド・オリー。ドラムスのジーン・クルーパ。ピアノのテディ・ウィルソンなどをはじめとして、多数のミュージシャンたちが登場しています。
ベニー・グッドマン物語のあらすじ
1919年のシカゴ。貧しい洋服屋の主人グッドマンは、少ない収入をやりくりして、息子のベニー、フレディ、ハリーの3人に音楽教授の下で音楽を習わせた。16歳になったベニーは遊覧船の楽士となり、ここでデキシーランドジャズで有名なキッド・オリー(本人)に会い、ジャズに興味を持つようになった。
やがてベニーはベン・ポラック楽団に入団し順調な演奏活動を続けた。月日は流れ成長したベニー(スティーヴ・アレン)は故郷シカゴへ戻ったが、父の自動車事故で家族は悲しみの再開となった。
そしてベニーは再びポラック楽団の演奏旅行に出発し、とある酒場での演奏中、音楽評論家ジョン・ハモンドの妹アリス(ドナ・リード)に会った。そしてハモンドの援助でポラック楽団はニューヨークへ旅立つ。やがてベニーはジーン・クルーパ、テディ・ウィルソン等と楽団を作りラジオに出演した。その間アリスはベニーの求婚を待ち受けていたが、身分の違いを憂慮したベニーはプローポーズを躊躇していた。
1935年の8月に行われた、ロサンゼルスでの演奏は最高のものとなり、観客は熱狂しスイングジャズの夜明けを迎える。成功したベニーは、ライオネル・ハンプトンを加えた四重奏団を編成し、楽団はニューヨークのパラマウント劇場に出演する。そこでは観客が通路で踊り出す熱狂ぶりでバンドを出迎えた。そして音楽の殿堂であるカーネギーホールの公演も叶い、アリスはベニーの成功を喜んだが、いつまでもプロポーズをしてこない彼に失意を隠せなかった。そして迎えたカーネギー・ホールの晴れ舞台の日、ベニーのクラリネットから紡がれる「メモリーズ・オブ・ユー」のメロディが、彼の想いを乗せアリスの胸へと届いた。
【感想】
この映画は「グレン・ミラー物語」とよく比較されますが、あちらはジェームズ・スチュワートに、ジューン・アリソンに、ルイ・アームストロング。正直言って役者が違い過ぎます。だからと言ってこの作品が悪いわけではなく、音楽性や出演しているミュージシャンも決して引けを取っていません。1930年代の雰囲気もよく描かれており、スティーヴ・アレンのベニー・グッドマン役も、実直なベニーの役が板に付いており、彼以外では考えられなかった適役ではないでしょうか。そしてスティーヴ・アレンのクラリネット吹き替えは、全てベニー・グッドマンご本人。物語の中で演奏される曲も素敵な選曲であり、名曲「メモリーズ・オブ・ユー」は、何度聞いても心に染みてきます。当時のスターミュージシャンたちの達者な演奏が随所に折り込まれ、エンターテインメント性に溢れた音楽映画の名作です。
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