ジャズのおすすめ名盤 ギター編

ジャズギターの特徴

ジャズギターはジャズにおける楽器の中で一番発展した楽器でしょう。ジャズに用いられる主要な楽器の歴史の中では最も新しく、現在のようにソロを取るといったスタイルもなく、ビッグバンドやスウィングバンドでのコードバッキングというスタイルが一般的でした。その理由はバンドが生演奏する場合に、アンプなどの電気器機を使用するという概念はなく、ギターのボディサイズでは、コードバッキングでしか金管楽器やドラムの強烈な音響に太刀打ちできなかったというのが正論でしょう。

ジャズ・ギターの有名なミュージシャン

これにソロという概念を持ち込んだのはチャーリー・クリスチャンでした。彼はベニー・グッドマンのビッグバンドにオーディションを受けに来たところ、短い曲に延々と長いソロを披露し、それがきっかけでバンドに加入したというエピソードが残されています。それをきっかけにバンドをダンスの伴奏というところから、聴かせるという点に持っていった彼の功績は大きいでしょう。

もう一人重要な人物として、ジャンゴ・ラインハルトがいますが、ジャンゴは元々ベルギーの生まれで、幼い頃からパリのダンスホールなどで活躍し、独特のスタイルを身につけました。ジプシージャズと呼ばれるそのスタイルは、スウィングから発展した独特の音楽であり、チャーリー・クリスチャンより早くからソロのスタイルを取っていました。その超絶的なテクニックと優雅な表現力は、ジプシースタイルとして世界中で演奏されています。

ギターに関してはさまざまなスタイルがありますが、どんな楽器より特徴づけられるのはアンプを通して音を出すというところです。クラシックギター以外のスタイルではまずこれが当てはまり、アコースティックギター全般では「アンプラグド」という表現をよく耳にしますが、現在ではプラグを介してアンプを通さないと、レコーディングでもステージでもバランスの良い音は出せないでしょう。

ジャズ・ギタリストも相当多くのミュージシャンが存在しますが、開祖と言われるチャーリー・クリスチャン。そしてジャンゴ・ラインハルト。この二人を筆頭に、ジョー・パス、ウェス・モンゴメリー、ジム・ホール、ケニー・バレル、グラント・グリーン、バーニー・ケッセルなどが主流派。コンテンポラリーとしてのジャズギタリストなら、パット・メセニー、ジョン・スコフィールド、マイク・スターン、ジョージ・ベンソン、ラリー・カールトン、リー・リトナー。日本代表で渡辺香津美が有名どころです。

チャーリー・クリスチャン

・『ザ・オリジナル・ギター・ヒーロー』ジャズの夜明けが聞こえてくる、チャーリーの集大成オムニバス。

・『アフター・アワーズ』ジャズの巨人たちがくり広げる、ビ・バップ誕生の瞬間。

ジャンゴ・ラインハルト

・『ジャンゴロジー』フレンチジャズの王道。バイオリンとの優雅な共演。


・『アンソロジー』ジャンゴが歩んだ伝説の全貌が見える集大成。

ジョー・パス

・『ヴァーチュオーゾ』正しくヴァーチュオーゾ!ジャズのソロギター百科事典。

・『フォー・ジャンゴ』敬愛するジャンゴに捧げた傑作。これこそジャズ・ギターの王道。

・『枯葉~ソロ』クラシックギターが奏でる癒しの名曲集。ソロギターの美学。

ウェス・モンゴメリー

・『フル・ハウス』ウェスのテクニックと優しいトーンが楽しめる楽しさ溢れる名盤。

・『ザ・インクレディブル・ジャズ・ギター』本当に信じがたいジャズギターです。

・『スモーキン・アット・ザ・ハーフノート Vol.1&2』豪華カルテットによる名演。

ジム・ホール

・『アランフェス協奏曲』メロウなギタートーンが名曲をしっとりと聴かせる名盤。

・『アローン・トゥゲザー』名手ロン・カーターのベースをバックに渋く輝くギター。

・『チャーリー・ヘイデン&ジム・ホール』デュオの名手二人が奏でる美しさに満ちたデュオ。

ケニー・バレル

・『ミッドナイト・ブルー』クール&ロマンティックなジャズギターの名盤。

・『ケニー・バレルの全貌』鬼才ギル・エバンスのアレンジが光るバラエティに満ちた名演。

・『ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン』個性のぶつかり合いが生んだマジック。

グラント・グリーン

・『フィーリン・ザ・スピリット』懐の深さが窺えるマジック・ハンド。

・『グリーン・ストリート』夜しんみりと聴く渋すぎるジャズギター。

・『アイ・ウォント・トゥ・ホールド・ユア・ハンド』ハイセンスでシンプルな幽玄のギター。

バーニー・ケッセル

・『ザ・ポール・ウィナーズ』ウエストコーストの洗練された名手の共演。

・『オン・ファイアー』ダイナミックかつユニーク。カッコいいジャズギターの見本。

・『コンテンポラリー・ラテン・リズム』どこか懐かしさを感じさせるラテンの香り。

パット・メセニー

・『リジョイシング』名人二人のサポートが輝く、どこまでも深く温かいジャズギター。

・『80/81』二本のサックスと絡むフレッシュなメセニー。「Goin’ Ahead 」に感動。

・『ミズーリの空高く』チャーリー・ヘイデンとのメロディアスな美の共演。

・『ユニティ・バンド』鳥肌が立つ音の応酬!メセニー史上最強のカルテット。

渡辺香津美

・『トチカ』世界のKAZUMIを見せつけた「美しすぎてクレイジー」な時代を超えた傑作。


・『ジャズ・インプレッション』40年を迎えたギターの虫。香津美ジャズの集大成。

・『ギター・ルネッサンス』「俺に弾けない曲はない」というようなバラエティ溢れたソロギター。

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