ジャズのおすすめ名盤 テナーサックス編

ジャズ・テナーサックスの特徴

テナーサックスはいわばジャズを象徴する楽器ではないでしょうか。体格の良い黒人ミュージシャンがテナーを抱えた様は凄く画になります。トランペットはクラシックでも多く使われますが、サックスは標準的なクラシックの編成においての使用は少なく、逆にジャズのビッグバンドなどではテナー、アルト、ソプラノ、バリトンなど、サックス奏者がズラリと並ぶ光景が目にできます。

いわゆる音色がジャズに向いていると言うのでしょうか、金属でありながら木管楽器の響きを持つという特徴もあり、歴史の新しさからもクラシックに取り入れられる機会も少なかったのでしょう。

テナーサックスの有名なミュージシャン

ジョン・コルトレーンが筆頭に挙げられ、ソニー・ロリンズ、コールマン・ホーキンス、レスター・ヤング、デクスター・ゴードンなどのニューヨークを中心に活躍した黒人ミュージシャン。スタン・ゲッツ、ズート・シムズ、バリトンサックスのジェリー・マリガンなどのアメリカ西海岸を中心に活躍した白人ミュージシャンが有名です。サックスの場合、アメリカでもニューヨークを中心とした東海岸のハードバップと、ロサンゼルスを中心とした西海岸のウエスト・コースト・ジャズの、大まかですが二つのスタイルに分かれているのも特徴と言えるでしょう。

テナーサックスはハードバップ、ウエストコーストのどちらのスタイルが好きかというところで、好みも分かれるところですが、一概に東海岸のジャズが全て激しく、西海岸のジャズが皆クールだという訳ではありません。やはりミュージシャンのスタイルも刻々と変化して行きますので、互いに刺激を求め東西の共演が行われますし、ニューオリンズなどジャズ発祥の地でもある南部の味付けを残している演奏もあります。いずれにしても演奏者の「歌心」が聴く私たちに響くかどうかが、ジャズを好きになる大きな要因ではないでしょうか。ミュージシャンを例に挙げ、新旧取り混ぜたテナーサックスの名演を紹介します。幅広くセレクトしましたが心に残る名作揃いです。

ジョン・コルトレーン

・『バラッド』言わずと知れたコルトレーンの珠玉のバラード集。ジャズの超入門作。

・『コルトレーン』レッド・ガーランドのピアノとの絡みが絶妙なソロデビュー作。

・『ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン』ジョニー・ハートマンとの囁き合いについうっとり。

ソニー・ロリンズ

・『サキソフォン・コロッサス』ロリンズのメロディーとワトキンスの骨太ベースを堪能。

・『ソニー・ロリンズ Volume1&2』オールスターメンバーをバックに歌いまくるテナー。

・『ウィズ・モダン・ジャズ・カルテット』MJQとの共演に冴えるロリンズ節。



スタン・ゲッツ

・『ゲッツ/ジルベルト』ボサノバを世界中に知らしめた不朽の名作。

・『スタン・ゲッツ・プレイズ』優しい音色とメロディアスなフレーズはゲッツの神髄。

・『ザ・ドルフィン』メロディの洪水とスイング感溢れるリラクゼーション。



コールマン・ホーキンス

・『ボディ&ソウル』正しく”身も心も”持って行かれるオヤジのテナー。

・『ホーク・スウィング』これこそジャズの王道テナー。

・『コールマン・ホーキンス』渋すぎて涙が出るブルースフィーリング。


レスター・ヤング

・『プレス&テディ』名曲による名演奏のお手本の名盤。

・『ジャズ・ジャイアンツ』”モダンジャズの父”と言わしめたレスターの品格が漂う。

・『ミュージカル・ロマンス』元恋人のビリー・ホリデイと息ピッタリのデュオ。


ズート・シムズ

・『ズート』クールなスイング感に溢れたウエストコースト・ジャズ屈指の名盤。

・『ダウン・ホーム』ジャケットから聞こえてくるような彫りの深い音色が魅力。

・『クッキン!』バラエティ豊かな選曲センスが飽きさせない名作。

ジョシュア・レッドマン

・『WISH』パット・メセニーのギターが優しく絡む魅惑の音世界。

・『ムード・スウィング』エモーショナルでトラディショナルな現代の名演。



レクタングル(大)
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