ジャズのおすすめ名盤 トランペット編
ジャズトランペットの特徴
トランペットと言えば、サックスに並ぶジャズの花形楽器でしょう。きらびやかな音色は基本3つのバルブで奏でられ、唇と息の加減で低音から高音までを操らなくてはならない繊細な楽器です。そして他の楽器と大きく違うところは、サックスや鍵盤楽器、弦楽器みたいにキーの配列が順番に並んでなく、3つのバルブのみで音を組み合わさなければならないので、演奏する場合に「歌心」がなければ、ジャズ特有のアドリブを演奏する場合に凡庸な演奏になり、「手癖」という楽器の特性に依存しにくい部分もあります。逆にミュージシャンのさじ加減で音色が全く変わってしまうゆえに、習得すれば個性が出しやすい楽器とも言えるでしょう。
ジャズトランペットで有名な奏者
海外のお馴染みミュージシャンで言えば、”サッチモ”ことルイ・アームストロングがまず浮かび、ディジー・ガレスピー、マイルス・デイビス、クリフォード・ブラウン、リー・モーガンなど、黒人トランペッターが主に有名です。白人でもトランペットと同時に甘いボーカルを聴かせるチェット・ベイカー。最近では、ベルリンフィル出身のドイツのティル・ブレナーが、チェット・ベイカーと同じくボーカルをフューチャーしたアルバムを多数発表しています。ルイ・アームストロングもボーカリストとして有名ですが、こちらは独特のダミ声で味わい深い歌を披露しており、トランペットもテクニカルな奏法ではなく、歌心に溢れたメロディを奏でる個性が万人に愛されています。
トランペットの善し悪しを判断するコツは、演奏者の「歌心」がどれほど聴けるかではないでしょうか。ミュージシャンを例に挙げ名盤を挙げてゆくのは簡単ではありませんが、古いものから新しいものまでメロディアスなトランペットのアルバムを紹介します。聴きやすさを中心にセレクトしましたが心に残る名作ばかりです。
ルイ・アームストロング
・『What a Wonderful World』TVのCMソングでもお馴染み。あまりにも有名なナンバーが入ったアルバム。
・『エラ & ルイ』女性ボーカルのエラ・フィッツジェラルドとのデュエット。
・『サッチモ・アット・シンフォニー・ホール』幸福感に溢れたライブアルバムです。
マイルス・デイビス
・『マイ・ファニー・バレンタイン』切なく歌い上げるマイルスの「マイ・ファニーバレンタイン」。
・『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』ディズニーナンバーで有名なタイトルソング。
・『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』ブルーなマイルスのミュートに酔う名曲集。
クリフォード・ブラウン
・『クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス』ストリングスをバックに冴えるブラウニーの歌心。
・『クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム』艶やかな音色とアドリブでのメロディの洪水。
チェット・ベイカー
・『チェット・ベイカー・シングス』吸い込まれるような甘いボーカルと優しい音色。
・『チェット・ベイカー・シングス・アンド・プレイズ』歌心溢れたトランペットとボーカルのリリシズム。
日野皓正
・『シティ・コネクション』1970年後半の大ヒット作品。日野さんのコルネットがあまりにも美しい。
・『トランス・ブルー』選曲とストリングスの絡みが絶妙なバラード集。
ブルー・ミッチェル
・『ブルーズ・ムーズ』心に灯がともるようなミッチェルの優しい音色。
ティル・ブレナー
『オセアーナ』海の風景が見えてくるようなシンプルな音作り。